2014.8.1
iBeaconとNFCが切り開くユニバーサルデザイン
2014.8.1

iBeaconとNFCが切り開くユニバーサルデザイン

gooスマホ部編集部
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公平な利用、単純で直観的な利用、わかりやすい情報※――ユーザの言語や文化、知識、障がい等関係なく利用できる設計(デザイン)をすること、それが「ユニバーサルデザイン」。
生まれつき全盲のプログラマー・切明政憲さんをゲストに、ユニバーサルデザインとして捉えたときのiBeaconとNFCの可能性について考えてみました。

※「ユニバーサルデザインの原則(The Principles of Universal Design)」より




iBeaconとNFCが切り開くユニバーサルデザイン



iBeacon、NFCの特徴

iBeaconはiOS7から標準搭載された技術。BLE(Bluetooth Low Energy)と呼ばれる通信規格でデバイスの位置情報を特定し、店舗等に設置しているBeacon端末から必要な情報を常時配信します。これにより、iBeacon対応デバイスを持つユーザが有効エリアに訪れると、商品やクーポン等の情報が自動的にデバイスに届きます。GPSの電波が届かない場所で使えるのもポイント。




Stick-N-Findは直径24mm。iPhone 4S以降、Android4.3以降対応。


Stick-N-Findは直径24mm。iPhone 4S以降、Android4.3以降対応。

BLE(Bluetooth Low Energy)を応用したのが、「Stick-N-Find(スティックンファインド)」。対象物にステッカーをくくりつけて専用アプリを立ち上げると、その位置を特定できる仕組みとなっています。有効エリア(45m以内)に入るとプッシュ配信されるので、忘れ物防止や空港での旅行バッグの受け取りに等も活用できます。


NFCは近距離通信の国際規格。詳しくは、「自由研究ネタにも使える!NFCタグシールのある生活」をご覧ください。


<iBeaconとNFCの比較> 項目 iBeacon NFC 通信距離 ~数十m ~数cm 電波強度の取得可否 〇 × 対応 iOS、Android Android セキュリティ 試行錯誤中 用途別に規格あり ユーザ視点 意識せずとも検知 意識をもってタッチ 価格 数百円~ 数十円 電源 ボタン電池など 不要 アプリの事前インストール 必要 不要

クレスコ・アイディー株式会社調べ


iBeaconとNFCの最大の違いは、「ユーザのアクションが必要か否か」。前者はエリアに近づくと情報が自動でプッシュ配信されるのに対し、後者はユーザが何かにかざして(またはタッチして)はじめて情報取得ができます。



「知らない」のは「ない」と同じ

切明さんに日々の困りごとを尋ねると、共通しているのは「目印が分かりにくい」ということ。


<日常生活で困ること>
● 歩くこと
● 読むこと
● 物の認識エスカレーターの方向
● バスの停留所
● 電車の行き先、車両番号





ブラインドスクエア

    

タップタップシー

BlindSquare(ブラインドスクエア)
切明さんオススメアプリ。「1時の方向300m先、田町駅」のように、スポットと位置、距離を音声またはテキストにて示してくれる。Ver.2.22からはBluetoothキーボードや入力機能付き点字ディスプレイで操作ができるように。
AppStore
     TapTapSee(タップタップシー)
撮影した物が何かを音声またはテキストで返してくれる識別アプリ。海外で専用部隊が張り付き回答している。
多少のタイムラグや誤訳はあるが、洋服を撮って送ると色も添えて返してくれるので、「選択の自由」を広げる機会に一役買っている。
Google Play / AppStore 


歩行支援アプリや物識別アプリを使ってある程度カバーできても限界はあり、中でも「歩くこと」は命題のひとつといいます。




多くの視覚障がい者は、目的地に向かう道を“トンネル”のように知っています


「多くの視覚障がい者は、目的地に向かう道を“トンネル”のように知っています。例えば、引っ越した直後に駅まで行けるようになったとしても、周りに何があるかほとんど知らない。“知らない”のは”ない”と同じなのです」

デバイスに搭載されているルート検索には主にGPSが使われていますが、緯度・経度から位置をおおまかに特定できるものの、精度にはやや欠け、目的地が道路1本はさんで向こうということも。加えて、人工衛星からの電波を使用するので、屋内ではほぼ使えないリスクもあります。



iBeaconを歩行支援に

では、iBeaconやNFCがユニバーサルデザインとして普及したとしたら、どのような未来が待っているでしょうか。切明さんからはさまざまなアイディアが出てきました。


<iBeacon>
● 入店や散歩、寄り道
● エスカレーターでの移動(方向が分かる)
● 宿泊先で部屋の位置特定
● 改札口または駅のホームで次に来る電車の時間と行き先を把握
● 駅の出入口毎の紹介



<NFC>
● レストランでメニューを自身で選択
● 食材管理・選択(音声を登録したNFCタグを食材に貼り付け)



「歩くことはおおげさな言い方をすると、自由の一歩。自由な人格であることの一歩。iBeaconやNFCがユニバーサルデザインとして広まるといいなと思っています」




切明政憲氏


iBeaconは主に店舗の紹介やクーポン利用といったO2O(Online to Offline)として普及していますが、歩行支援として二次利用できれば散歩もできるし、飲食店にふらっと入ることもできる。
「iBeaconはビジネスと社会貢献を同時に実現できる可能性を秘めています。私が申し上げたいのは、実はこれだけなのです。日常の困りごとはその伏線にすぎません」


障がいがあるなし関係なく、すべての人に共通して使えることを目指す「ユニバーサルデザイン」。iPhoneはいち早く多言語対応や視覚・聴覚・身体機能サポート機能を導入していますが、このように商品・サービスに活かすことは、企業や団体共通の課題といえるでしょう。



<プロフィール>
切明 政憲
主に視覚障害者向けのコンピュータソフトウェアの開発に参加。コンピュータの画面読み上げソフト、点字編集システム、企業向けの業務システムの読み上げ環境の構築などを行う。
携帯端末やスマートフォンの支援技術的活動も行っている。ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドも務めている。



撮影協力
ダイアログ・イン・ザ・ダーク

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