2015.10.12
熾烈な日本での動画配信サービス、抜きん出るのは?
2015.10.12

熾烈な日本での動画配信サービス、抜きん出るのは?

gooスマホ部編集部
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今年一年のご愛顧にお答えして!平成最後の年末感謝セール
9月22日、AppAnnieが発表した「世界で急成長するモバイル動画ストリーミング市場」によると、動画ストリーミングアプリ分野においてアメリカでは前年比3.2倍、中国で9.6倍の成長率を見せているが、日本ではどうか?


左から、NewsPicks・佐々木編集長、C Channel株式会社 取締役COO・三枝高臣氏、株式会社T-MEDIAホールディングス 取締役・根本浩史氏、株式会社フジテレビジョン コンテンツ事業局長・山口真氏


左から、NewsPicks・佐々木編集長、C Channel株式会社 取締役COO・三枝高臣氏、株式会社T-MEDIAホールディングス 取締役・根本浩史氏、株式会社フジテレビジョン コンテンツ事業局長・山口真氏
Netflix、Amazon、Hulu、dビデオ等さまざまな動画配信サービスが台頭するなか、相次いで行われた動画イベントをリポートする。 

――9月29日、NewsPicks×EGG JAPAN「参入相次ぐ動画配信ビジネス、勝つのは誰か ゲーム・チェンジャー~破壊から創造へ~」が三菱地所「EGG JAPAN(日本創生ビレッジ)」で行われ、News Picks佐々木編集長モデレーターのもと、T-MEDIAホールディングス、C Channel、フジテレビジョンが登壇した。 

充実の品揃えとオリジナル作品で勝負

「TSUTAYA TV」と宅配DVD・CDレンタル「TSUTAYA DISCAS」を統合。動画配信5万作品とDVD 23万作品の借り放題+見放題プラン2,417円で提供


TSUTAYAは「ないものがない品揃え」をコンセプトに、国内で一番品揃えのいいサービスにすべく、動画配信サービス「TSUTAYA TV」と宅配DVD・CDレンタル「TSUTAYA DISCAS」を統合。動画配信5万作品とDVD 23万作品の借り放題+見放題プラン2,417円で提供。映画好きを1stターゲットとして新作映画も配信ですぐに見られるようにしている。 
気になる通信量については、ダウンロード機能をつけることでいつでもどこでも安定視聴できる機能や、ユーザインタビューで好評という2倍速視聴機能でカバー。 
5,500万人のT会員やエンタテインメント商品、作品レビューのデータベースを使った作品のレコメンデーションにも力を入れ、自分好みの作品が探せるよう工夫をしているという。 



株式会社T-MEDIAホールディングス 取締役・根本浩史氏


TSUTAYAブランドとしての作品展開にも力を入れている。「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」で優秀クリエイターの脚本募集や、「セッション」などのTSUTAYA先行レンタル・配信作品の強化で差別化を図っている。 「これからはコンテンツ重視になることは間違いない。動画が付随するものは確実に伸びると思っている」と、株式会社T-MEDIAホールディングス 取締役・根本浩史氏。 
ビッグデータの重要性について聞かれると、「TSUTAYAができた30年前、世の中のPCの値段はとても高かったが、すべての店舗をリアルタイムにつなぎ、『この棚にある○○という映画の3本目が貸し出し中』など把握し商品を補充する仕組みにした。こうしてお客様が来店されて「借りたいのに借りられない」ジレンマをなくすことを徹底的にやりこみ事業を拡大した」と、データの必要性と継続性がビジネスに寄与することを訴えた。


スマホでイノベーション「日本発動画メディア」を世界へ

C Channel株式会社 取締役COO・三枝高臣氏


「映画は映像を観に行く時代を、テレビは映像を受け止める時代を作った。映像の技術が進化した瞬間新しいイノベーションが起きていることから、撮影と視聴が同時にできるスマホはそれを生み出せる」――C CHANNELは「映像でコミュニケーション」を軸に、“縦型動画”というスマホに特化したサービスを今年4月ローンチ。8月は250万再生だったが、9月は700万回再生と急激に視聴数を伸ばしている。 
2~3ヶ月前まで日本テレビに25年在籍していたという、C Channel株式会社 取締役COO・三枝高臣氏は「C CHANNEL」のポイントを3つに分けて紹介。 



「C CHANNEL」のポイント3つ:1分動画、SPAモデル、オープンスタジオ


1)1分動画テレビ業界の知見で、毎分視聴率が45秒から1分で映像を見なくなるタイミングが訪れることと、通勤・通学時の可処分所得時間を考慮。
2)SPA(Specialty Store Retailer Of Private Label Apparel)モデル 日本はじっくり映像作品を作る傾向にあるため、時間とコスト高が課題。映像業界のユニクロ」のようにファストファッション的コンテンツを作れないかと、ターゲットを10代から20代の女性に設定。「クリッパー」と呼ばれる女性達を起用し、女性誌にあるようなテーマを1ヶ月で約500コンテンツアップ。iPhoneが4K撮影にも対応したので、品質も高く維持することが可能に。 
3)オープンスタジオ 原宿の一軒家にオフィスをかまえ、撮影から編集、公開まですべて行っている。外からもどのように撮って公開しているのか見ることができる。「日本はドメスティックなマーケットにつき、クローズドなコンテンツが多いが、MTVやVirginが音楽の文化を変えたようにメディアを変えていきたい」 
はじめからグローバル展開を視野に入れていたというC CHANNELは、英語・中国版アプリをリリース。「日本を中心に、日本のカルチャーを同時に世界中のカルチャーと同じようなフォーマットで見られる、『日本発の世界メディアを目指していきたい』」と、意気込みを新たにした。 

ユーザの動向をとらえたコンテンツ活用

「Netflix」と「FOD」


株式会社フジテレビジョン コンテンツ事業局長・山口真氏は動画配信事例として、「Netflix」と「FOD」について触れた。 
地上波での放送時、「テラスハウス」は10代~20代のユーザに支持。視聴率こそ6~7%程度だったが、YouTubeでスピンオフ作品を流したところ、累計2億8,000万回再生を達成。YouTubeアメリカ本社で表彰を受けることに。映画も12億円の興行収入を叩き出した。 
6月、Netflixとの共同制作として新バージョンを展開。「アンダーウェア」と共にNetflixにて独占先行配信後、地上波と「FOD(フジテレビオンデマンド)」でも配信。Netflixは具体的再生回数を一切公表しないグローバルスタンダードを掲げているが、「テラスハウス」は日本で最も見られているコンテンツのひとつと言われているという。地上波での放送時からTwitterやFacebookと親和性が高く、それらを使う層と近しいYouTubeやNetflixがさらに後押ししたのではないかという見解。 



株式会社フジテレビジョン コンテンツ事業局長・山口真氏


ただ、これら取り組みはいくつかの施策のひとつ。「視聴者の動向や世の中の動きはきわめて流動的。都度課金・月額定額制、無料広告型アドボットを有機的に組み合わせてやっていきたい」(山口氏) 
「FOD(フジテレビオンデマンド)では会員数80万、アクティブユーザ200万だが、黒字化しているポイントとして「コミック配信」を挙げた。3万タイトル、10万冊を配信する同サービスでは、ドラマやアニメによってはじめて原作を認知する視聴者が多いことから、それらの横に原作を配置。コミックは音を出せない環境でも読めることから視聴者ニーズにもマッチしており、うまく課金につながっているという。 
山口氏によれば、「動画60分で300円、コミック15分で400円~500円」と、ユーザ単価と時間単価の相関関係があるという。FODでは主要30社の雑誌や+7(プラスセブン)で見逃し配信も行っている。 




一方、10月1日に行われたベンチャーと企業の事業提携イベント「モーニングピッチ」では、動画ベンチャー4社が登壇した。

テレビ視聴の常識を変えるサービスを5年に一度NHK放送文化研究所が行っている「日本とテレビ」によると、調査開始の1985年からはじめて今年は短時間化傾向に陥り、20代から50代までの幅広い層で「ほとんど、まったく見ない」の割合が増加。 



ガラポンTV


そんな状況に一石を投じたのが「ガラポンTV」。8局分の全番組(ワンセグ)を専用録画機で録画し、スマホやタブレット、PCでオンラインでもオフラインでも視聴できるようにした。契約者には番組レビューサイトも提供。全番組を文字起こししており、キーワードで番組内容を検索できる。番組名をタップ(またはクリック)すると、動画サイトのようにすぐ視聴できる手軽さも魅力だ。 



ガラポン株式会社 代表取締役・保田歩氏


「『番組表』『録画』『テレビの前にたつ』を必要とせず、いつでもどこでも番組を見られる」とガラポン株式会社 代表取締役・保田歩氏は力説する。
ワンセグを取り込んでいることによる画質UPの課題はこれからだが、「テレビ視聴のありかたを変える」として“がらがらぽん”を由来にした「ガラポンTV」は、忙しくて時間のないビジネスマンを中心に契約者数を伸ばしているという。 

サービスの質向上と教育を動画で解決「サービス業は正解が多様で数値化が困難といった『サービス固有』の面と、人の入れ替わりが激しく、拠点毎にサービス品質のばらつきが起きやすいなどの『組織構造』の面それぞれに課題がある」と話すのは、株式会社ジェネックスソリューションズ 代表取締役・高橋勇人氏。それらを解決するため立ち上げたのが、双方向の動画サービス「ClipLine(クリップライン)」だ。 


株式会社ジェネックスソリューションズ 代表取締役・高橋勇人氏


現場のスタッフに数十秒の動画をタブレットで撮影して送ると、本部がそれをチェックしフィードバック。模範となるスタッフの動作はマニュアル化され、それが教育研修につながるといった使い方がされているという。 
導入先は外食産業とそれ以外の業界が半々。店舗をもつサービス業5,000億円の隠れた市場規模を相手とし、インキュベイトファンドから1.3億円調達。「今後はコールセンターやメンテナンス業界とも組みたい」と意欲を見せた。 

360度パノラマ動画、8K活用

ガラポン株式会社 代表取締役・保田歩氏


「PanoPlaza Movie」を展開するカディンチェ株式会社は、ユーザが用意した360度全方位のパノラマ動画をクラウド上にアップロードすることで、マウスやタッチ操作で回転できるというもの。SNSでシェアもできる。iOS 9アプリも提供している。
静岡大学発ベンチャー企業・株式会社ブルックマンテクノロジはCMOSイメージセンサの開発・販売を行っている。高い技術が認められ、NHKの8Kスーパーハイビジョンにも採用された。この技術を放送以外にも適用できるようにと内視鏡や公共・災害監視システム、遠隔教育システムにと、期待がもたれている。 

デバイスとインフラの進化に伴い、今後も続々と動画配信サービスが出てくることが予想される。現時点でどこが優れているというより、それぞれの特徴を理解し組み合わせて利用することがユーザに求められているのは間違いなさそうだ。

今年一年のご愛顧にお答えして!平成最後の年末感謝セール

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