2015.10.16
私達はまだiPhoneで何ができるか知らない-アクセシビリティ編
2015.10.16

私達はまだiPhoneで何ができるか知らない-アクセシビリティ編

gooスマホ部編集部
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今年一年のご愛顧にお答えして!平成最後の年末感謝セール
――22時30分。電車を降り、乗換え先のホームに通じるエスカレーターを下ると、一様に頭を垂れ、スマホを一心に見つめる乗客がホームの端まで見える。都心ではありふれた光景だ。いまや日本のスマホ利用者数は5,000万人。なかでもiPhoneは人気のスマホのひとつ。筆者も発売翌日iPhone 6sを手にしたものの、用途といえばFacebookに投稿し、NewsPicksの記事を一通り眺めてYouTubeで動画を見るが常。正直、これらはiPhoneじゃなくてもできる。では、iPhoneでなければできないことって何だろう?



目の不自由な方のための、はじめてのiPhone使い方教室


10月4日、ソフトバンク株式会社と公益財団法人 日本盲導犬協会主催のもと、アップルストア銀座で開かれた「目の不自由な方のための、はじめてのiPhone使い方教室」には、iPhoneの機能を体感しようと同伴者を含む34人が集まった。うち9人が盲導犬を連れての参加となった。参加の動機を尋ねると、「らくらくホンを使っているが、iPhoneの使い勝手がいいと聞いて訪れた」という。



アプリ「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」トップ

 

アプリ「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」チュートリアル画面


ソフトバンクが開発したアプリ「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」はiPhoneがもつ音声読み上げ機能の「VoiceOver」を活用し、視覚障がい者が基本的な操作を学ぶためのアプリ。操作の感覚をつかめるまで晴眼者と一緒に使うことで、iPhone の操作に慣れてもらうことを狙いとしている。



ソフトバンク株式会社 サービスプラットフォーム戦略・開発本部 工藤景司氏


同アプリを企画・開発した、ソフトバンク株式会社 サービスプラットフォーム戦略・開発本部 工藤景司氏によると、独自のアンケートをとった際、障がい者がスマホに求める機能の60%は「紙に書かれている文字を判別し読み上げる」、過半数が「声で指示」「目の前のものをカメラで判別」。ほかにも「自分の位置がわかる」「声でインターネットができる」などいずれも世界中にいるエンジニアにより、iOSアプリで解決できることがわかっている。
それを指し示すかのように、2007年iPhone発売当時、視覚障がい者の3%しかiPhoneを使っていなかったのが、2014年に11%に上昇していることが明らかに。中には自ら実験台となり、手さぐりで操作方法をマスターし、情報発信している積極的なユーザもいる。



視覚障がい者から寄せられた意見一覧


そして、「デザイン」や「晴眼者と同じものを使いたい」という要望も高く、洗練されていてかつ仮に分からないことがあっても周囲に気軽に聞けることが必要と感じた工藤氏は、「視覚障がい者向けに新たにアシスト機能を追加する」から、「どのようにiPhoneを簡単に使える環境を設けるか」へ開発ポイントをシフト。アプリを作るにあたり、2人の専門家に協力を仰いだ。



左:株式会社ラビット 代表取締役社長・荒川明宏氏 右:株式会社Studio gift Hands 代表取締役・三宅琢氏


左:株式会社ラビット 代表取締役社長・荒川明宏氏 右:株式会社Studio gift Hands 代表取締役・三宅琢氏
1人は、視覚障がい者向け支援機器の販売・サポートを行う、株式会社ラビット 代表取締役社長・荒川明宏氏。もう1人は、眼科医で株式会社Studio gift Hands 代表取締役・三宅琢氏。三宅氏にいたっては、東京医大で眼科医をしていた2011年、iPhoneやiPadが視覚障がい者に最適なツールと確信。大学をやめ、アップルストアで弱視や全盲、読み書き・発達障がい者を対象にセミナーを実施すること4年。
「0を1にするアプリがないと、いくら講演会をやってもそこにいる100人や200人だけにしか広まらない。このようなアプリがすべての家庭で使えるようになるのが目標だった。リリースされたことがとても嬉しい」と、喜びをあらわにした。






アプリ「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」説明画面


「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」で実現できることは大きく3つ。1)視覚障がい者と、彼らをとりまく晴眼者にも認知2)VoiceOver有効機能や、困った時の設定を周りの人に知ってもらう3)周囲のiPhoneを使って試してみてから買い替えようという環境を整える



アプリ「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」は色弱者にも対応した配色


イベントでは、このアプリを活用し、iPhoneの基本を理解するため、画面の範囲や物理ボタンの位置から始まり、VoiceOverや指を使っての基本操作や文字入力などを解説。電話の発信については、Siriを使ってもできることを実践。「メニューを覚えていなくても、こうしてSiriにお願いすればアラームの設定もできてしまう」と工藤氏。



Hey Siri 明日6時に起こして

 

6時のアラームをオンにしました

Siriに「Hey Siri明日○時に起こして」と話しかけると瞬時にアラームの設定もしてくれる
「Siriではほかにも使える方法がある」と話すのは三宅氏。「弱視の方が室内でiPhoneを開くとき画面を明るくしているため、外に持ち出して使おうとすると明るすぎて見えない。そんなときもSiriに言うとすぐに明るさを調整してくれる。音量調整やBluetoothの接続も行える」
役立つアプリについて聞かれると、荒川氏は「iPhoneを周りで使いこなしている人はBlindSquare(ナビ)やradiko(ラジオ)、点字データまで読めるアプリを使っている。Kindleだと出版された本が音声ですぐに読めて便利」。



アプリケーションで実現可能なこと


三宅氏は「iPhoneを使いこなしている人は晴眼者含め、きっといない。その人のニーズにマッチするアプリが使えればいいのでは。世界一周旅行をする人にマネーリーダーのアプリを紹介したことがある。相手の顔を認識するアプリ『smile detector』は表情でぶるぶると震えるが、チェスをする際に相手の表情を読むのに役立つ。このようなコミュニケーションのツールアプリがさらに出てくると面白い」と、持論を展開。
また、人間かロボットかを判断するために、あえて認識しづらい数字や文字の画像を見せて入力させる「個人認証」がスマホでは必要なくなることや、人を介さない「IoT」の進化が人々の生活を豊かにする中で、スマホが非常に重要なポジションにあることが紹介された。
こうしてiPhoneをはじめとするスマホにさらなる可能性があることを知った参加者は、拍手で教室の満足度を伝えてくれた。



左:株式会社ラビット 代表取締役社長・荒川明宏氏 右:株式会社Studio gift Hands 代表取締役・三宅琢氏


「iPhoneを買って1週間くらいは使いこなせず後悔すると思う。でも10日後には楽しいことが待っている」(荒川氏)
ソフトバンクではNPO団体などにiPadの貸し出しを行っており、教室で紹介した「視覚障がい者向け使い方教室 for iPhone」を試すこともできるそう。詳しい内容はソフトバンク問合せ窓口(SBMGRP-CSR-kashidashi@g.softbank.co.jp)まで。
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