2015.10.30
iOS 9新機能「Wi-Fi Assist」が訴訟騒ぎになっているのはなぜ?
2015.10.30

iOS 9新機能「Wi-Fi Assist」が訴訟騒ぎになっているのはなぜ?

gooスマホ部編集部
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iOS 9の新機能の一つとしてデビューした「Wi-Fi Assist」。海外では訴訟騒ぎまで起きていますが、いったいどんな機能で、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。


Wi-Fi アシスト解説



Wi-Fi アシスト解説V発表


Wi-Fi Assistは、設定-モバイルデータ通信をタップすると、ページ最下部にある。
Appleの説明によると、「Wi-Fiの接続が弱ったときに自動的に携帯電話網に切り替えることでデータ通信を継続する」という機能のようです。これをもう少し詳しく説明すると次のようになります。
もともと、Wi-Fiと携帯電話網(LTEなど)は、別々の経路でインターネットに接続されています。Wi-Fiは自宅のインターネット回線や公衆Wi-Fi事業者の接続回線、LTEなどではLTE事業者の専用網です。そのため、それぞれ別々のIPアドレスが割り当てられています。通常、Wi-Fi接続をしているときにはWi-Fiに割り当てられたIPアドレスでサーバと通信しています。このとき、LTEで割り当てられたIPアドレスはお休みしている状態です。



Wi-Fi アシスト解説


従来の仕組みでは、上図のようにWi-Fi接続が弱るとそのまま切断してしまいます。このときに何が起こるのでしょうか。例えば、ブラウザがあるWEBページを読み込んでいるとします。その途中でWi-Fiが弱ってしまい、切断されたとしましょう。WEBページの読み込みをもう少し分解すると、「ブラウザからのリクエスト」「サーバからのデータ送信」の二段階に分かれています。サーバの立場で見た場合、データの送信先は「リクエストのあったIPアドレス」になります。ここで、Wi-Fiが切断されると、送る先のIPアドレスがなくなってしまうので、読み込みと中のWEBページデータは永遠に端末に届かなくなってしまいます。このため、ユーザが自分でブラウザの再読み込みボタンを押す必要がありました(※アプリによっては切断後しばらくして再読み込みを始めることもあります)。



Wi-Fi アシスト解説


Wi-Fi AssistがONの場合、このときに少し違う動作をします。Wi-Fiが切断する前、データ通信速度が落ちてくると「スイッチ」を行います。スイッチとは、通信経路をWi-FiからLTEに即座に切り替えることを意味します。対応したアプリケーションもそれに応じてデータの取得先の切り替えを行います。WEBページの読み込みの例で言うと、ブラウザが即座にサーバにもう一度リクエストを送信するわけです。このリクエストを受けることで、サーバは新しいIPアドレス(LTEに割り当てられているIPアドレス)にすぐにデータを送ることができるようになります。また、WEBや動画などでは「途中のここからデータをください」というリクエストを送ることがでるので、読み込み前のデータもムダにせず、続きからすぐに読み込んで途切れることなく表示することができます。
また、Wi-Fi AssistがONの状態でLTEに切り替わったとしても、背後ではWi-Fiもつながったままになっていて、Wi-Fiの電波がいいところに戻れれば、再びほとんど途切れなくWi-Fiを使い始めることができるようになるのも特徴です。
このように書くといいことばかりのようですが、ではなぜ海外で訴訟騒ぎにまでなっているのでしょうか。
それは、「勝手にLTEに切り替わってしまう」ことが理由です。というのも、最近は携帯電話のデータ通信は完全定額ではなくなっているため、勝手に携帯電話網を使うことで料金が上がってしまう、ということのようです。実のところ日本でもこれは他人事ではなく、大手三社もほとんどのMVNOのプランも、LTEで使えるのは月に何GBまで、という料金プランになっているため、LTEで使うデータ量が増えることは潜在的にはより高いプランを選択しなければならなくなることにつながります。
従来であれば、一度途切れた通信をユーザが手動で再読み込みする必要があったのが、勝手に続きをLTEでダウンロードされてしまうわけで、長い動画を見ている途中で気付かないうちにLTEに切り替わってしまっていたりすると、月のデータ量上限にあっという間に達してしまう恐れがあります。Wi-Fi Assistを使うときはこの点に十分に注意する必要があるでしょう。
とはいえ、今まで外出先などでものすごく遅いWi-Fiを掴んでしまったときにいちいち手動でWi-Fiを切断していたような人には、Wi-Fi Assistはとてもメリットのある仕組みと言えます。自宅などLTEを使いたくないところではAssistをOFF、外出先でデータ量を節約するためにWi-Fiを使いつつもイライラをなくしたいときにはAssistをONに、というように切り替えながら使うのが賢い新機能の使い方。Wi-Fiの遅さにイライラしていた人はぜひ試してみてください。
そうそう、iOS 9ではデフォルトでONになっているので、不要な人はOFFにすることを忘れずに!
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