2015.11.13
メンタル、視覚、ALSをテクノロジーで支援-第3回ILSリポート
2015.11.13

メンタル、視覚、ALSをテクノロジーで支援-第3回ILSリポート

gooスマホ部編集部
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今年一年のご愛顧にお答えして!平成最後の年末感謝セール
日本発のグローバルイノベーションの誕生を目指すイベント「第3回 TOKYOイノベーションリーダーズサミット」が10月26~27日の両日、虎ノ門ヒルズで開かれ、著名経営者のスピーチや日米の第一線で活躍するベンチャーキャピタリストのセッションなどが行われました。5回に分けてリポートします。

10月26日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)セレクトによるベンチャーのピッチや展示からヘルスケアに関する企業をピックアップしてリポート。
ロボットを介してコミュニケーションや雇用につなげる「OriHime」

オリィ研究所所長兼CEO・吉藤健太朗氏


「小さい頃から体が弱く、3年半ほど不登校時代が続き、病床で天井ばかりずっと見つめていた。人と話さないと日本語すら忘れてしまう」と話すのは、オリィ研究所所長兼CEO・吉藤健太朗氏。自身の体験をふまえ感じたのは「寂しさ、孤独感というストレスが生きがいの低下につながっている」ということ。



OriHime


それを解決すべく着手したのが、コミュニケーションロボット「OriHime」。動かしているのは人工知能ではなく人。カメラとスピーカーが内蔵されており、OriHimeを通して会話したり、相槌打ったり、手を振ったり等、自身の分身としてコミュニケーションがとれるというもの。当日OriHimeを操作していたのは、4歳のとき交通事故に遭い、以来23年間半身不随で療養生活を送っているという番田雄太さん。番田さんはオリィ研究所の契約社員としても働いており、「ベッドの上でも雇用が生み出せる。通訳や老人ホームの会話ボランティアなどのアルバイトも展開している」とか。
最近では、披露宴に出られない身内の代わりにOriHimeが出席したり、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者にヘッドマウントディスプレイと連動させて使ってもらったりするケースも。また、OriHime塾といって、入院患者がOriHimeを用いて学校へ通える制度を目指し、塾と提携して遠隔受講などにも取り組んでいます。
「癒しとは何か?を考えていたが、自分が他人に必要とされることで生きがいが得られることを提供していきたい」(吉藤氏)

人が本来持つメカニズムを応用したALS・脊椎損傷の医療品開発へ

クリングルファーマ株式会社 取締役事業開発部長・安達喜一氏


前述のOriHimeでも出てきた「ALS」や脊椎損傷などの医療品開発に取り組んでいるのが、大阪大学発バイオベンチャー、クリングルファーマ株式会社。登壇した取締役事業開発部長・安達喜一氏によると、ALSはいまだに原因がわからない神経疾患で、神経が徐々に死んで体が動かなくなり、最後は呼吸ができなくなって5年以内に80%が死にいたるという、過酷な難病のひとつ。一方、脊椎損傷は事故等で脊椎が損傷し、体が動かなくなる神経病。これら2つの共通点は「いまだに有効な治療方法がない神経難病」ということ。



再生治療薬HGF(肝細胞増殖因子)


患者も周囲も非常に重い負担がかかるため、患者が体を動かすことができるような薬をつくることができれば、医療経済的にも非常に大きなメリットを与えられるということから取り組んでいるのが、「体の中に元々ある再生修復メカニズム」。肝臓の細胞を増殖させると言われていた増殖因子・肝細胞増殖因子(以下、HGF)は他の臓器の修復も可能とする細胞であることが実験を重ねて明らかとなったといいます。
HGFが製薬になった時の市場規模として、ALSも脊髄損傷患者も1万人を満たないものの、バイオ医薬品は高い薬価が期待されているため、「国内でも150億から200億、ワールドワイドではひとつの製薬でも1000億円を超えるブロックバスターになり得る」(安達氏)

ロービジョンに視聴の楽しみを「RETISSA」

RETISSA


全盲ではないけれど、視覚になんらかの困難をかかえている人(視力0.5以下)は日本だけで150万人、先進国では500万人、途上国では眼鏡が買えないというWHO調べで推定5,000万人いると言われています。高齢化が進むことでさらに層が拡大することを見据え、株式会社QDレーザが開発したのが、網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA」。他のスマートグラスと異なるのは、左目のレンズに超小型レーザプロジェクタが仕込まれており、瞳孔を通して網膜に画像を投影するという点。視力やピント位置を気にせず見ることができるため、視覚支援や拡張現実(AR)の世界を実現したり、PCやスマホ等と接続することで、デジタル情報の鑑賞をすることもできます。


RETISSA


「ロービジョンの方は拡大鏡や拡大読書器で新聞や雑誌をお読みになっていたが、RETISSAでそのあたりもすべてカバーできる」と話すのは、株式会社QDレーザ 事業開発副マネジャー・中村学氏。会場では、RETISSAを通してナビシステムを見るデモンストレーションが行われていました。

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