2015.11.23
障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)
2015.11.23

障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)

gooスマホ部編集部
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前編「『隠す』から『前に』―福祉に囚われない共生社会を」では「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」の展示内容を中心にお届けしました。


障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)


後編では、シンポジウム「障がい者もロボットもふつうに働く未来に」に登壇した、川崎市健康福祉局の障がい者雇用・就労推進課係長の滝口和央氏による「障がい者の働くを一歩先へ、もっと先へ」と、ダイワハウス工業の山本泰弘氏の「ロボットがさりげなく存在する社会はいつ実現するのか」をリポート。
障がい者と健常者が接する機会が少ないことで残る「偏見」

障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)


滝口氏の調査によると、日本の18歳から64歳の人口7,543万人中、4.2%にあたる323万人が障がい者。精神障がい者が一番多く172万人、続いて身体障がい者111万人、知的障がい者40万人と続きます。うち、企業で働いているのは13%のわずか42万人。残りの87%にあたる281万人は施設で働くほか、就業もままならない状態。「障がい者の雇用環境がまだ十分に整備されておらず、この状態では健常者と障がい者の接点が少なく、健常者の障がい者に対する偏見が残ったまま」とし、「障がいは『人』ではなく、『社会の側』にある」と、司会を務めたLITALOCO代表取締役長谷川氏の言葉を引き合いに出しながら、強く訴えました。


障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)


川崎市では、障がい者が社会の中に混ざり合って働くことが当たり前の世界を目指しており、「ピープルデザイン就労体験事業」といってスポーツやエンタテインメントなどの場所で楽しみながらスタッフとして混ざることで、もてなされる側からもてなす側へとシフトすることに取り組んでいます。川崎フロンターレのボランティアスタッフや清掃員、富士通フロンティアーズの応援メッセージ係、BAYCAMP 2015のステージパフォーマンス等多岐にわたり、平成26年度は136人。今年度は365人参加を目標に動いているといいます。
参加者を見ていると、責任ある仕事を与えることでやりがいを見出したり、誰かの役に立っているという意識が自信にもつながることから、「障がい者が施しを受けるだけでなく、彼らが生き生きすることで、健常者に対して価値提供を与えられるようにしていきたい。健常者、障がい者の枠を超え、障がいに対して新しい定義やイメージを変えていきたい」と滝口氏。


障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)


タイトルにある「一歩先へ」は、「障がい者と交えて働いている社会はかっこいい」。「もっと先へ」は「企業や社会が受け入れることに価値を出す」ことを指しています。
「思いやりから一歩進んで、相手の立場にたって考えること、障がいがあるとかではなく、1人の人間として対等に接することで超福祉を実現できる」と締めくくりました。
ロボットで人をセラピー

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ロボットは一般的に人間が今までやっていた仕事をロボットや機械学習によって人間の活動を助けるためのものとして捉えがちですが、大和ハウス工業が扱う商品のひとつが、独立行政法人 産業技術総合研究所の柴田崇徳氏が開発したアザラシ型メンタルコミットロボ「パロ」。2002年「世界一の癒しロボット」としてギネスブックに認定され、アメリカ・ドイツ・オーストラリア等世界30カ国で利用されており、国内外で約2,500台以上の販売実績をもちます。



障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)

それまで右手が震え、言葉にならない言葉を発していた患者がパロと対峙したところ、話しかけたりなでたりするように。(あくまで一例)
パロは首や前足、後ろ足、まぶたが動き、これらを組み合わせることで生き物らしく動作。言葉を学習する機能が備わっているため、自身の名前を覚えたりもします。人と触れ合えば触れ合うほどパロの心や感情のようなものも変化し、飼い主に応じて行動したりも。本物のタテゴトアザラシの赤ちゃんを模し、朝・昼・夜のリズムも設けているとのこと。

動物を飼えない環境下で動物的な反応を示すパロに触れたり、何かしてあげたいと役割をもたせることで、アニマルセラピーの効果が得られるとされており、うつの改善や、認知症の徘徊防止などにも効果があることが認められ、エビデンスのある医療機器として認可されています。




障がい者もロボットもふつうに働く未来を(後編)


「ロボットは何かしてくれるものが多いが、パロのように人間の衰退してしまった機能の回復につなげることができる」と山本氏。
講演終了後、展示ブースに多くの人がパロに話しかけたりなでたりする姿が見受けられました。同社が掲げる「人とロボットのもっと心豊かな共生」を垣間見た瞬間でした。

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