2016.3.28
格安SIM?格安スマホ?いまだから知りたいMVNOのこと
2016.3.28

格安SIM?格安スマホ?いまだから知りたいMVNOのこと

ITライフch編集部
ITライフch編集部
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nova3

格安SIM、格安スマホなどと呼ばれる、大手キャリアではない通信サービス、正式にはMVNOというカテゴリーのサービス事業者になるのですが、このMVNOとは一体なんでしょうか?

MVNOとはMobile Virtual Network Operatorの略です。Operatorとは「運用者」、Network Operatorで「通信事業者」の意味になります。それが、Virtual(仮想的)。通信に仮想も実在もあるものでしょうか。

ここでの仮想の意味は、「自分では通信設備を持っていないのに通信サービスを提供すること」という意味になります。そして、そんなVNOの中でもMobile、つまり携帯電話サービスを提供している人を特にMVNOと呼ぶわけです。

でも、自分で通信設備を持っていないのにどうしてサービスができちゃうの? ……簡単に言うと、通信設備を持っている人(MNO=大手キャリア)に設備の一部を借り受けて、一般の利用者向けに提供する、という仕組みを使っているからです。

言葉の定義としてはこれだけなので、実はあなたもMVNOになれます。街のケータイショップでスマホを契約して、誰かにそれを又貸しして料金を受け取ればいいのです。ただし、こういうやり方をすることは、キャリアの契約や法律などで厳しく制限されています。それに対して、MVNOは法律的にお墨付きをもらってこんな「又貸し」をしている、というわけです。

でも、そんな仕組みだったら、利益を出そうと思ったらキャリアよりも高く売るしかないですよね。でも、実際のMVNOは「格安」です。それはなぜかというと、言ってみれば「一括仕入れ」しているからです。普通の人の何千回線分を一括で仕入れることで、家族割引と同じようにセット割引をしてもらって、少し安く売る、これが、基本的なMVNOの商売の仕組みです。

実際には、MVNO向け料金として国が指針を作っています。それは、「ネットワーク構築の原価に適正な利益を上乗せされたもの」とされていて、一般のキャリア利用者に対するよりももっと原価に近い(=安い)料金で貸し出されています。

実際には、次の図のような形でネットワークの借受をしています。



MVNOは、キャリアから回線速度単位でネットワークを借りることができます。キャリアが準備しなければならない、無線ネットワークのためのこまごまとした装置や中継アンテナ(基地局)を自分で用意する必要はありません。このため「仮想」と呼ばれます。

MVNOにとってこの仕組みを使うことで、単純に安く回線を仕入れられるだけでなく、「たくさん使う人」「それほどでもない人」「朝たくさん使う人」「夕方たくさん使う人」などなどいろんな使い方の人を同じ回線で扱うことができるので、平均的に見れば人数分の回線をきっちり準備する必要がありません。「誰がどの時間に使ってもきっちり速度を出してあげる努力をしなきゃならないキャリア」との値段の差の一番大きな部分は、ここです。

一方で、それは通信の品質にも影響があります。



キャリアはこの図のように、無線ネットワークとサービス用のネットワークが直結していますので、MVNOのように通信が一箇所に集中しません(あくまで概念です。実際には「十分な容量の回線でお互いに接続している」という形を取っています)。

先ほど、「MVNOではいろんな使い方をする人が分散しているから安い」と書きましたが、それでもほとんどの人が同じ使い方をする場合というのが出てきます。例えば、お昼休み。会社勤めの人のお昼休みはほとんどの人が12時に始まりますし、学校でもさほど変わりません。この時間は、みんなスマートフォンでニュースを見たり息抜きをすることでしょう。

こんなとき、MVNOだと、つないでいる回線の速度が不足して、「日本中の人が少しずつ遅くなる」ということが起こります。ひどいときには、1Mbpsも出ないこともあるようです。キャリアでは、そういうことは起こりません(※ただし、一つの中継アンテナにたくさんの人が殺到すると速度が遅くなることはあります)。

つまり、MVNOだと、みんなが使う時間に遅くなることがある、ということです。もちろん、そうならないようにがんばって設備増強(接続速度の追加やたくさん使う人を別回線に分けるなど)をしていますが、あまり増強しすぎると安さが犠牲になりますから、安いMVNOを使う限りは、この課題は避けられないと言えるでしょう。

また、忘れられがちですが、キャリアがこぞって始めた「電話の話し放題」を提供しているMVNOもほとんどありません。独自のIP電話で実現しているMVNOもありますが、番号通知ができない場合があるなど制限もあります。電話番号を使った音声通話に関しては、自分自身で電話交換機を持っているキャリアに、一日の長がありそうです。

こんなMVNOですが、上手に使えば月の通信費用をすごく安く済ませることができます。
例えば、みんながLINEを使っているからスマートフォンを使い始めたいという人。別にアプリとかネット動画にはほとんど興味は無いんだけどなあ、って人、キャリアのスマホを買って月に7~8000円も払うなんてもったいない。MVNOなら、間違いなく1000円以下で済みます。スマホ本体の分割払いを入れても2000円くらいで済むこともあるでしょう。

逆に、一人暮らしでブロードバンド回線を引くのももったいないからネットも何もかも全部スマホで済ませている、なんて人も、実はMVNOがお勧め。10GBが2000円台なんてサービスもたくさんありますし、一部のMVNOには「ターボ機能」なんてのもあります。ターボ機能を「OFF」にしているとスピードは少し遅いけれど月の利用量にカウントされません。ちょっとしたネットでの調べ物やメールしかしないときはずっとターボをOFFで使い、動画を見るなどスピードが必要なときだけONにする、こんな使い分けをするだけで、月の料金が半分以下になってしまうんです。

一方、仕事やプライベートであちこちに電話をかける必要があるような人は、キャリアの話し放題プランを使ったほうがいい場合もあります。なにしろMVNOではほとんどの場合、30秒20円という結構割高な音声通話料です。大雑把に言って、一ヶ月に二時間くらい電話番号を使った通話をするような人は、あまりMVNOは向いていないかもしれません。

MVNOは、上のような「そもそもの仕組み」を知っていれば、とことんお得な使い方を見つけられます。上手に使って通信費用をお安く済ませてしまいましょう。

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