2017.3.3
SIMカードの進化系!?「eSIM」って何のこと?
2017.3.3

SIMカードの進化系!?「eSIM」って何のこと?

無線にゃん
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ドコモが、2017年中に「eSIM」を採用した端末を出すと発表しました。このeSIMってなに? 今使っているSIMとの関係は?

携帯電話やスマートフォンにはつきものの「SIMカード」、これは、加入者識別モジュールの略で、契約者がキャリア等に加入していることの証明として貸し出してもらっているものです。携帯電話端末などに差し込むことで、「その端末をちゃんとした加入者が使っていること」を証明でき、正しく通信できるようになります。

規格が世界で統一された背景としては、非統一の識別方法がだと、国境やキャリアの境界を越えるたびに、加入者の識別方法が異なるため安心して携帯電話が持てなくなります。特に陸続きの国境を持つヨーロッパ諸国で深刻な問題で、「加入者を識別する方式を統一すべき」という要請が高まったようです。

そのため識別方式を統一し加入者の情報だけをやり取りするだけで、国をまたいでも通信ができるようにしておく必要がありました。この際、識別符号を保存しておく媒体の規格を共通化し、最小限の機能・要素を持ったICカードとなりました。

とはいえ、SIMカード方式にも問題がありました。前述のようにSIMはキャリアが発行し加入者に貸し出すもの。理論上、加入者は使いたいキャリアに対応した端末と、キャリアのSIMをいちいち自分で準備しなければなりません。初期の格安SIMの多くがこの方式を採用したため、端末セットが当たり前になったのは比較的最近です。

端末セットの普及ですが、日本の大手キャリアは長いこと、端末とSIMを切り離した販売をしてきませんでした。自分でSIMカードを挿して設定するだけですが、多くの利用者が端末とSIMがセットであることに慣れてしまっています。そのため、最近では、MVNOが販売する格安SIMも端末セットでの販売が主流になってきており、今後、IoTなど端末と加入者情報を大量に扱う分野で普及の鍵となりそうです。この場合の欠点は普及のしやすさと引き換えに、事業者側でSIMカードを端末に挿して設定する手間がかかります。

そうした手間を解消する存在として期待されているのがeSIMです。eSIMは従来のSIMとして働く他、新たな機能を付け加えられています。その内容は「親分的サーバから安全にキャリアとの接続に必要なプロファイルをダウンロードすること」「プロファイルに含まれているキャリアの制御情報を使い、キャリアがeSIMの中身を管理できるようにすること」などがあります。

eSIMシステム全体の特徴は、親分的なサーバと各キャリアの間のやり取り(プロトコル)を標準化している点。究極的には1台のサーバで「世界中のキャリアが世界中のデバイスを一様に加入者として扱えるようになる」といったことが期待されます。

またeSIMであれば、HTTPSが通る通信線さえあればどこでも空っぽのeSIMに新しいキャリアの加入者情報を書き込み可能。セットアップ用に仮のプロファイル情報を入れておいても、キャリア経由のインターネット接続を介したプロファイルダウンロードをしたり、NFCやBluetoothを使って開通済みの端末とeSIMの入った新たな端末がペアを組み通信することで、新規のeSIMにキャリア情報を書き込むことができます。

ドコモが今年やろうとしているのは「加入済みの利用者向け」とのことなので、もしかするとこの開通済み端末とのペアリングを使ったアクティベーション導入するのではないかと考えます。eSIMを使えばすでに加入済みの契約者であれば契約審査などが不要となるので、ドコモショップなどでeSIM入りの端末だけを販売し、契約済の加入者であれば端末操作をするだけで開通作業が完了します。

当面はあまり踏み込んだ運用はしないかもしれませんが、将来的にはドコモの加入登録業務をしていない店舗(コンビニなど)や、一般の通販サイトなどで対応端末を販売するかもしれません。

また、eSIMの恩恵を最も受けるのがIoTの世界です。特定のキャリア向け情報だけを書き込んだSIMをセットしてパッケージ販売すると、地域ごとに製品を変えなければならなくなります。しかし、端末操作するだけで、情報を書き換えられるeSIMであればこうした問題のほとんどを解決してくれます。

ドコモはeSIMプラットフォームを今後開放する方向でいろいろと準備を進めており、世界的なビジネスを視野に入れるならほかのキャリアも同じような戦略となるのではないでしょうか。
※すでに海外キャリア向けに提供中

こうしたプラットフォームがMVNO向けにも開放されeSIMの普及が進むと、ものすごいブレイクスルーが起こる可能性があります。例えば利用者は家に居ながらにして、その時々に一番お得なMVNOをスマホの画面数タップするだけで選択可能になるなんてことも。もし現実に起こった場合、MVNO各社はそうした価格競争の消耗戦から脱出するため、独自サービスを開発しなければ生き残れなくなります。こうなると現状の横並びにみえる状況から脱却し、MVNOごとの特色がハッキリしてくることでしょう。

eSIMの可能性は様々ありますが、世界的にみても始まってまもないものです。この先、広く普及することでより便利な使い方が提示されるのではないでしょうか。聞き慣れない言葉かもしれませんが、eSIMという言葉は頭の片隅にでも置いといてください。

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