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スマホを利用する機会が多くなればなるほど、気になるのがバッテリーの残量。以前と比較してバッテリーのもちはよくなっていますし、バッテリーの消費電力を抑える機能がスマホに搭載されている場合もあります。しかし、それ以上にスマホの高性能化や大画面化が進み、省電力化に努めてもバッテリーの容量が追いつかないのが現状です。スマホのバッテリーが1日ともたなかったという経験もあるのではないでしょうか。
そのような時に活躍するのが、モバイルバッテリーです。これを1台持っていれば、メールや動画閲覧、音楽鑑賞、インターネットの利用など、バッテリーの残量を気にすることなく利用できて、とても便利。また、電源のなさそうなエリアへのアウトドアのレジャーや旅行でも安心です。
使い方はいたって簡単で、USBケーブルなどでスマホに接続するだけです。コンセントを探す必要もなく、移動しながらでも充電することができます。一度使い始めたら手離せない外出時の必需品です。
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モバイルバッテリーはさまざまなタイプがあり、どれを選んだらいいのか迷ってしまいがちです。家電量販店に行っても、その種類の多さにぼうぜんとしてしまうかもしれません。また、見た目は気に入ったけれど充電可能な回数が少なかった、反対に必要以上のスペックで持てあましてしまった、などということもあります。モバイルバッテリー選びでは、スマホやタブレットなどの端末の利用頻度や利用シーンを想定し、自分のライフスタイルにあったバッテリーを選ぶことが重要です。
そこで、バッテリーを選ぶ際に重要となるポイントを簡単に説明します。
バッテリー容量によって、1回の蓄電でどの程度端末に充電できるのかが変わります。バッテリーは「Ah(アンペアワー)」という単位で表し、数字が大きいほどよりたくさんの量を充電できることを示します。
ただし、モバイルバッテリーのスペック欄に記載されている数値通りの充電ができるわけではありません。実際に充電できる量は、表記の70~80%程度だということに注意してください。これは、モバイルバッテリーの出力時の出力電力ロスや、スマホ側での入力電流ロスといったさまざまなロスが発生することが原因です。例えば、5,000mAhのモバイルバッテリーは、実質3,500~4,000mAh程度のバッテリー容量だと考えておきましょう。
あわせて、手持ちのスマホやタブレットに内蔵されているバッテリー容量とサイズ比較を行ないましょう。5,000mAh のモバイルバッテリーを使用した場合、iPhoneの場合はおよそ2回、Androidの場合はおよそ1回と、内蔵バッテリーのサイズによって充電回数が異なります。
また、モバイルバッテリーの利用頻度(充電回数)を想定することも大切です。スマホ側のバッテリーの劣化具合にもよりますが、1回のフル充電でよいのか、2回分が必要なのかなど、イメージしながら適切なサイズを選んでください。
参考)平均的な端末内蔵バッテリー容量・iPhone 6s / 7:1,700mAh~2,000mAh前後・Android :3,000~3,500mAh前後・小型タブレット:4,000mAh前後
当然ながらバッテリーの容量が大きくなるほど、値段も高く、重量も重くなります。以前は10,000mAhを超えると5,000円~1万円程度するものもありました。もっとも最近ではかなり値下がりしているようです。例えばamazonでは、2017年3月の時点で、20,000mAhを超える容量のもので、3,000円以下で買えるものもあるようです。
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容量だけがモバイルバッテリー選びの判断ポイントではありません。次に重要なのが充電スピードです。端末への充電スピードは、「出力電流(アンペア)」に比例します。製品のスペック欄に記載の“出力”“OUTPUT”の数値が高ければ高いほど、充電スピードが早いことを示します。
せっかく大容量のバッテリーを購入しても、充電スピードが遅いものは実用性に欠けています。その場合は、できる限り出力電流値が高いタイプのものを選びましょう。また、大容量バッテリーは、モバイルバッテリー本体への充電も時間がかかるため、入力電流値が高い方がよいでしょう。
参考)出力電流/OUTの値:モバイルバッテリーからスマホ、タブレット端末への充電スピードを示す入力電流/INの値:充電器からモバイルバッテリーへの充電スピードを示す
一般的に、スマホには500mA~1A、タブレットには2A以上の出力電流が適していると言われています。モバイルバッテリーには複数端子を備えているタイプもあります。複数台を同時に充電する場合はさらにパワーが必要となるため、3A以上のものを用意した方がよいでしょう。
●急速充電/Quick Charge急いで充電を済ませたい方には、「急速充電」や「Quick Charge」(Android端末のみ)対応のモバイルバッテリーがおすすめです。一般的には1.5Aや2Aといった1Aを超える出力を持つ製品を急速充電対応と呼ぶことが多いようです。
また、「Quick Charge」とはアメリカのQualcommが開発したスマホやタブレットを高速充電する規格のこと。いずれも、高出力でスマホやタブレットを速く充電することが可能です。
Android端末で普及が進んでいるQuick Charge2.0対応のモバイルバッテリーを利用した場合、従来の5V/1AのUSB充電器と比較すると、約2倍弱の速さで充電できると言われています。ただし、利用するには充電するスマホやタブレットなどの端末側もこれらに対応している必要があります。日本国内で製品に適応している最新規格はQuick Charge 3ですが、まだ一部のスマホにしか導入されていませんので、購入前に端末側のスペックを確認してください。Quick Charge 3は、Quick Chargeを利用しない充電方法より、約4倍の充電スピードが出るとも言われています。
なお、Qualcommは2016年末に最新規格Quick Charge 4を発表しているため、2017年前半には日本市場にも適応製品が出回る可能性があります。Quick Charge 4はQuick Charge 3よりも20%高速、最大30%効率よく充電ができるとのことで、今後の製品展開が楽しみです。
モバイルバッテリーのタイプは、主に2種類あります。乾電池をセットして使う「乾電池タイプ」と、繰り返し使える「蓄電タイプ」です。最近では、繰り返し使える「蓄電タイプ」が人気です。
●乾電池タイプ乾電池をセットして使うタイプで、電池が切れた際は新しい乾電池をセットします。乾電池はコンビニなどで簡単に手に入るため、手軽さという点ではおすすめですが、充電パワーは蓄電タイプに比べると劣ります。
●蓄電タイプモバイルバッテリーに内蔵された充電池を利用するタイプです。電池が切れた際は、充電すれば繰り返し使うことができます。多くのスマホで使用されている電池と同様、リチウムイオン電池などが使われている場合が多く、乾電池タイプよりも大容量であることが特徴です。
また、電池が信頼できるメーカーのものかどうかという点も重要です。大容量なのに低価格の製品は特に注意してください。記載されている充電量よりもかなり低い充電量しか使えないものも中には存在します。40%以下しか使えない粗悪品もあります。国産メーカーの製品であれば一定の基準をクリアしている場合がほとんどですが、海外メーカーのものを選択する際はこういった点も参考にしてください。
充電用の出力端子を複数搭載していれば、スマホやタブレットなどの機器を複数台同時に充電することが可能です。スマホとタブレット、Bluetooth機器のように電子機器を複数台持ち歩く方には必要な装備といえるでしょう。
持ち運ぶ機会が多い場合意は重さも重要です。持ち物をなるべく減らしたい人や手ぶらで行動するシーンが多い人は、スマホと同程度かそれ以下の重さがよいでしょう。電池の種類にもよりますが、基本的に容量が大きければ大きいほど、重くなります。用途と利用シーンも想定しながら選びましょう。
参考)軽量タイプ:~150g標準タイプ:~200g大容量タイプ:200g~
毎日持ち歩くのであればデザインにも凝りたいところです。シックなデザインやかわいらしいデザインなど、素敵な製品が多数あります。また、形状もさまざまで、女性にも違和感のないものや、リップスティックの形をしたユニークなバッテリーもあります。おしゃれで持ち歩きたくなるような商品が続々と出ていますので、自分のお気に入りの1台を見つけてください。
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数あるモバイルバッテリーの中から、利用シーン別におすすめの商品を4つ選んで紹介します。
日常使いに最適な容量を備え、携帯に便利なコンパクトサイズで、しかもリーズナブルな価格のモバイルバッテリーです。コンパクトサイズながらもバッテリー容量は5,200mAhと、iPhone 6であれば約2回のフル充電が可能。急速充電にも対応。デザインもとてもシンプルで性別や年齢を問わずに持ちやすい製品です。黒と白の2色で展開されています。
容量:5,200mAh重さ:128g出力:2.1A(AUTO-IC機能)端子数:1
10,000mAhを備えた大容量バッテリーにもかかわらず、超薄型でとてもコンパクト。iPhone 6sと同じくらいのサイズで、見た目もオシャレなモバイルバッテリーです。出力端子は通常用と急速充電用の2つあるため、普段使いにも急速充電にも対応可能です。入力電流は2Aのため、バッテリー本体への充電も比較的速いのが特徴です。
容量:10,000mAh重さ:259g出力:1A/2.4A端子数:2
20,000mAhを備えた超大容量タイプです。iPhoneは約7回、Galaxy S7は約4回と、ほとんどのタブレット端末を約2回フル充電することができます。しかも、出力端子が3つあり、3端子合計で6Aも備わっているため、機器を3台同時に充電して、高速で充電することができます。また、入力端子も2つあるため、モバイルバッテリー自体を倍速で充電することができ、約6時間以内でフル充電が可能。厚みは多少ありますが、サイズはコンパクトで、この容量があれば電圧やプラグ形状が異なる国への旅行の際も心強い1台になるでしょう。
容量:20,000mAh重さ:383g出力:端子合計6A端子数:3
モバイルバッテリーとAC充電器が1台2役。コンセントがついたタイプのモバイルバッテリーです。コンセントに差し込んでいる間は、まずはスマホを優先的に充電します。フル充電に近づいたら自動でモバイルバッテリー本体への充電に切り替わる、パススルー方式という充電方式を採用しています。バッテリー容量は少なめですが、外出先ではモバイルバッテリーとして、宿泊ホテルではAC充電器として利用できるため、泊まりの出張が多いかたにとって、特に便利な1台です。
容量:3,760mAh重さ:175g出力:1.8A端子数:1
近年、モバイルバッテリー市場で人気を博しているのが「Anker(アンカー)」の製品です。Ankerは2009年にGoogle出身者によって創業され、インターネット通販サイトを中心に販売数トップクラスを誇っています。Ankerで驚くのは、ラインナップ数とコストパフォーマンスのよさ。バッテリー容量やサイズの違う多様な機種を販売しており、ユーザが自分に合った商品を選びやすいのが人気の理由のひとつです。
また、もう充電の速さも人気を集めています。「Quick Charge」に加え、Anker独自の「PowerIQ」という技術を取り入れ、接続した機器に合わせて最適な電流を流すことで、高速充電を可能にし、Quick Chargeに対応していない機種にも高速充電を可能にしています。
Anker社の製品はあまり店頭では販売されていないため、インターネット通販サイトで探してみるとよいでしょう。
一般的に、スマホのバッテリーはリチウムイオン電池を利用していますが、繰り返し使うことにより性能が落ち、最大充電容量が落ちていきます。性能が落ちれば、充電頻度も頻繁になり、更に性能劣化を招きます。なるべくバッテリーを長持ちさせるように、以下のポイントに気をつけて利用しましょう。
スマホのバッテリーは、充電回数によって寿命が短くなり、一般的には500回程度フル充電をすると、最大充電容量が半減すると言われています。そのため、100%前後で細かく充電を繰り返すとバッテリー劣化の原因になります。
気をつけなくてはならないのは、フル充電だけではありません。電池の残量が0%の状態で長時間放置すると、バッテリーは「過放電」という状態になり、これもバッテリーを劣化させる原因となってしまいます。バッテリーの充電回数を減らすために、わざわざ0%まで使い切ってから充電している方もいるかもしれませんが、反対にバッテリーを劣化させてしまうのでやめましょう。
また、長時間0%の状態で放置していると、端末が起動できなくなる場合があります。バッテリーの性能を劣化させないためには、しばらく使わないことがわかっていても30%程度の充電はキープした方がよいとされています。
リチウムイオン電池は熱に弱く、高温状態が続くと負荷がかり劣化が進みます。直射日光が当たる場所や夏場の炎天下に車中に置きっぱなしにすると、高温になってしまうため注意しましょう。また、長時間利用したり、複数のアプリを起動し続けたりすることも熱を持つ要因となります。
なお、Appleは、Apple製デバイスが正常に動作するための最適な温度範囲を16°C~22°Cとして設計しています。35°Cを超える温度に端末をさらすと、バッテリー容量に回復不能な損傷を与える可能性があります。スマホが熱を持ち始めたら、熱が冷めるまで一度利用をやめましょう。
充電しながらのスマホの利用は避けましょう。卓上ホルダにスマホを置いて動画を見たり、充電しながら電話をしたりするとバッテリーが発熱し始めます。できる限り充電中の使用は避けましょう。
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「高いスペックのモバイルバッテリーを使っているのに、なぜか充電が遅い」という時は、充電ケーブルを見直してください。充電ケーブルもさまざまな種類のものがあるため、品質のよくないケーブルを使っていると、充電速度が想定より遅くなる場合があります。1A出力のケーブルが多いので、2Aのモバイルバッテリーを購入するのであれば、ケーブルもそれに見合った品質のものを購入した方がよいでしょう。
モバイルバッテリーや充電機器が「急速充電」や「Quick Charge」に対応しているのであれば、せっかくの高機能を活かすためにも、それらに対応したケーブルを選びましょう。
モバイルバッテリーの飛行機への持ち込みについては注意が必要です。蓄電タイプの多くのモバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、温度の急激な変化や外部からの衝撃などの外的要因によって発火、場合によっては爆発の恐れがあります。リチウムイオン電池を利用した製品が機内で爆発した事故も発生したことがあります。
そのため、運搬環境が悪い「手荷物預け入れ」への預け入れは禁止、「機内持ち込み」についてはバッテリー容量により持ち込み制限がかけられています。この制限はモバイルバッテリーに限らず、スマホ、タブレットなど、リチウムイオン電池を利用した製品全てに適用されます。飛行機に搭乗する際には必ずチェックしてください。
●リチウムイオンバッテリーの制限内容・手荷物預け入れ:NG・機内持ち込み:1台あたり2g以下のもの、100Wh以下なら個数制限なし、160Wh以下であれば2個までOK
最近のバッテリー製品にはWh数が表記されているものも増えています。明記されていない場合は以下のように計算してみてください。
ワット時定格量(Wh)=電圧(V)×バッテリー容量(mAh)÷1000
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モバイルバッテリーを持っていない時、バッテリーが切れてしまってからでは充電できるスポットを探すのもひと苦労です。バッテリーが切れて困ることのないよう、日頃からモバイルバッテリーを持ち歩くとよいでしょう。
充電が切れてしまったら、キャリアショップへ行きましょう。充電ケーブルを持っていなくても無料で充電することができます。また、キャリアのショップ以外にも、家電量販店や複数のキャリアを扱う販売代理店でも提供している場合があるため、駆け込むとよいでしょう。
充電器を持っている場合は、「電源カフェ」というサイトでコンセントがあるカフェを検索するのもひとつの手段です。そのような店舗では、無料でWi-Fiを提供している場合も多く、Wi-Fiを使えばモバイル通信データ利用量の節約にもなるため、一石二鳥です。探している間に電源が落ちないよう、素早く検索しましょう。
電源カフェ
【関連Q&A】スマホのバッテリーの持続時間は平均どのくらいですか
以上、モバイルバッテリーの選び方と、バッテリー容量ごとにおすすめのモバイルバッテリーを紹介しました。自分が必要とするバッテリーのイメージをつかめたでしょうか。いまやモバイルバッテリーは外出時の必需品ともいえ、各メーカーもさまざまなタイプのものを販売しています。持ち運びしやすい軽量タイプ、しっかりと充電できる大容量タイプなどの中から、自分のライフスタイルや目的にあったバッテリーを選んでください。
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