2018.3.9
2018年も激動? モバイルプリンスがMVNO業界を斬る!
2018.3.9

2018年も激動? モバイルプリンスがMVNO業界を斬る!

つい先日、年を越した気分でしたが、もう3か月も経っていました。新年早々から通信業界の目まぐるしい動きを伝える様々なニュースが飛び込んで来ました。今回は激動の通信業界の中で、格安スマホ・MVNOにまつわるニュースをピックアップし、2018年の予想、そして今後の課題をあげていきたいと思います。
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FREETEL・LINEモバイルが経営体制の変更!

自社製スマートフォン・格安SIMのFREETELを運営していたプラスワン・マーケティング(以下、POM)は2017年12月、東京地方裁判所へ民事再生手続きの適用を申請しました。資金繰りが悪化し、事業を継続するのが困難になったためです。

FREETELは安い料金のSIMカードを発行しながら、オリジナルのスマートフォンも手がけるメーカー。格安SIMを提供するMVNOは、HUAWEIやASUS、SHARPなどの大手メーカーからSIMフリー機種を調達しセット販売などはおこなっているものの、自らは端末製造をしない会社がほとんどです。FREETELでは高価格帯のハイエンドモデルから、1万円代の「激安」スマホ、さらにはWindows 10 Mobileを搭載した機種まで用意し、大手携帯電話会社顔負けのラインナップでした。また都内を中心にFREETELショップを相次いで出店や、世界22か国に自社開発スマホを販売。さらに大物タレントを起用した派手なプロモーションなどおこなっており一見すると順調に成長しているように見えていました。

ところが、度重なる商品の発売延期や消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)で措置命令がおこなわれるなど、消費者からの信頼が低下。加えてキャリアが手がけるサブブランドの成長などの周辺環境とかさなり、経営状態は急激に悪化していき民事再生手続へと繋がりました。POM社の契約回線は、楽天モバイルが買収。オリジナル端末部門はMAYA SYSTEMが買収し、今後は展開されていきます。

こうした買収劇は、POM社だけではありません。2018年1月には、ソフトバンクが「戦略的提携に向け基本合意」とLINEモバイルの買収を発表します。株式の出資比率はLINE49%、ソフトバンク51%となり、これまでのLINEカラーから一点、ソフトバンクグループとして動くことになるでしょう。

買収後の具体的な動きは発表されていませんが、ソフトバンクではすでに「格安ブランド」でワイモバイルも展開しています。ここにLINEモバイルが追加されると、スマホブランドが3つになります。3つのブランドがうまくシナジー(相乗効果)を生むのか、逆にカニバる(食い合う)のか、非常に難しい舵きりが予想されます。買収後にブランド統合の可能性も考えられるため、ワイモバイル・LINEモバイルユーザーは動向を注意深く見守る必要があるでしょう。

格安スマホ・格安SIMは、料金を見れば想像できるように、薄利多売のビジネスです。ある程度数を出してボリュームを取らなければ、事業の継続は難しいでしょう。そうした中で「雨後の筍」のごとくMVNOが登場しユーザーを取り合うことで、みんなが厳しい状況に追い込まれる可能性があります。

大手携帯電話会社のドコモは、格安スマホを意識した安い機種・安いプランを用意し、auやソフトバンクは「UQ mobile」「ワイモバイル」などのサブブランドでキャリアよりも安いプランと端末を提供し、囲い込みをはじめています。横での激しい競争に加え、上の会社の値下げなどで、順風満帆な状況とは言えないかもしれません。ここまでも小規模の統合はありましたが、POM社、LINEモバイルなどのMVNOの中でも存在感ある「大物」は異例の自体。今後も買収や合併劇は続くのではないかと予想します。

 

買収が進む事で乗り換えが進む?

調査会社MM総研が行っている「独自サービス型SIMの市場規模実績および予測」では、2018年3月末の回線契約数を「1,075万回線」と予想し、当初の予想から95万回線の下方修正を行なっています。

契約者数そのものは順調に伸びつつも、その成長スピードに陰りも見える。こうした分析が可能かもしれません。

新しいサービスや製品が、世の中に広がる中での溝を表現した「キャズム理論」と言う言葉があります。新しいサービスや製品には、少数のイノベーターが飛びつき、その後アーリーアダプターへと浸透。その後は大多数を占める「マジョリティ層」へと移行するのですが、このアーリーアダプターとマジョリティとの間には最も高いキャズム(溝)があり、そこを超えるのが一番難しいというものです。

現在のMVNOもイノベーター・アーリーアダプター層が飛びついている段階ですが、ここからさらに普及するためには、キャズムを超えてマジョリティ層へ広がって行かなければなりません。

こうした「溝」の一つに、MVNOの種類が多すぎることが考えられます。現在のMVNOは種類が多い上に「ドコモ回線」「au回線」「ソフトバンク回線」と系列が存在しているので、非常に選びにくいのです。例えば、映画を見る時の話です。映画館に行く時は、どんな規模でも映画のラインナップは「10本」ほどです。その中から子供向けなどを除外すると、自分にあった映画は数本です。すぐに決めることができます。一方でレンタルビデオ屋(あるいはビデオのオンデマンドサービス)で映画レンタルする際、候補の作品が何万本とあるため、悩みすぎて中々決めることができません。

選択肢が多いことは「選ぶ楽しさ」が生まれる側面もありますが、時に足の動きを止めることにもつながります。

現在は「小さいMVNOが乱立」しているため、「選びにくいし、何か心配...」と乗り換えを躊躇している方も多いでしょう。しかし、MVNOが買収や合併を行い「中規模のMVNOがそこそこ」というスケール感になると、乗り換えに関するハードルは下がると思われます。2018年は買収や合併の先に、ユーザーの大移動は生まれるのか。そこに注目したいと思います。


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